主題のアプリが鳴り過ぎる時は、タクシーを利用したいお客が多い状況なので本来ならば乗務員にとってありがたい話ですが、タクシーの仕事の場合は、同時に別々のお客を乗せるわけにはいかないので、タクシーを利用したいお客が増えすぎても、比例してお客を無限に乗せられるわけではないのでメリットをそのまま享受できないことはわかります。
しかしアプリが鳴り過ぎてありがたくないのは、私は勝手に「遠鳴りが始まった。」という表現を使うのですが、迎車地が遠い所から呼ばれることが多くなることです。
そもそもアプリが鳴り過ぎるようになるのは大阪市内の中心エリアだけのことですが、原因として、まず迎車料金0円のタクシーで考えると、手上げの人が増えれば配車アプリのキャンセルリスクを抱えて、わざわざ、迎車地まで行く無駄な時間をかける必要はないので、乗務員は配車アプリを切るという行動にでるのは分かると思います。
その結果、アプリ配車の需要の増加と相まって、近場のタクシーが見つからずより遠くの迎車地から呼ばれるという現象が起きます。そうなると、400円の迎車料金をいただいていても、迎車地までの距離が遠ければ効率が悪くなり、キャンセルリスクも抱えてまで行く必要性はなくなり、乗務員は配車アプリを切るという同様の行動となり、さらに悪循環となるのですが、実は配車アプリによって私の対応は異なります。
まず、一番もったいないのはDiDiとなります。以前も説明しましたが、配車手配の時に迎車地までの直線距離(5㎞)が表示されるのですが、「遠鳴り」が始まると3km~5㎞の予約が頻繁に入るようになります。そして、配車手配を受注しないと受注率が下がり翌月のランクに響くので、直ぐにアプリを切るということになります。
DiDiは乗務員目線で帰庫モードを作っていますが、「迎車地が近場のみ」の受注モードを別途作り迎車地までの直線距離が2km以内のみ受注できるモードを追加して作ればよいのにと思っています。そうすれば、「遠鳴り」の心配がないので、配車アプリを切られてしまうリスクが減り、DiDiの受注が増えることは間違いないと思います。
次にGOですが、そもそも受注モードを選ぶような設定画面はなく、しかも配車手配が来た時には、乗務員側はなんの情報もなく受注するというシステムです。どうも、会社の姿勢としてはユーザーの開拓や、ユーザーに多様なサービスの提供ということにはとても熱心ですが、それを支える乗務員側に対する利便性の向上という姿勢はほとんど感じられないのが実情です。また、今HPを見ると以前にはあった迎車地に近い車を配車するという原則の案内がなくなっているようですが、前回も少し触れましたが迎車地までの距離が遠距離のものも受注するようになっているのが実情のようですので、GOもアプリが鳴り過ぎる状況では切ることになります。
そして最後にUberですが、実は最後まで切らないアプリでとても使い勝手の良いものとなります。
その理由は、Uberは乗客からキャンセルされた時に、お客から徴収した500円のキャンセル料をタクシー会社にそのまま還元することも理由にもありますが、配車手配時に具体的に迎車地までのルートと迎車時間が具体的に表示されることが使い勝手の良さとなります。
しかも、配車手配の受注を見送ってもDiDiのようなマイナス要素は一切なく、さらに第31回の忙しさの天気の回で説明をしていますが、お客を乗せている実車中でも配車手配は届きますので、目的地と迎車地を考慮して実車中にも受注ができるメリットがあります。
したがいまして、より長い時間配車の受注ができるうえに、乗務員が受注するときに、迎車地までの距離や場所で選り好みができるので、私はアプリが鳴り過ぎる時の対策としてUberはとても重宝しています。
なお、Uberで残念なことは、Uberで受注して実車中に更に配車手配が来ることもあるのですが、この点はDiDiの連携配車とは違い全く目的地を考慮せず配車手配がきてしまいます。したがいまして、迎車地を自分で確認して受注しないと、受注しても大きく遠回りになってしまいとても迎車地に行けない場合があります。その場合はキャンセルするしかなく、乗務員側のキャンセルは全く制約がないので実害はないのですが、折角ならDiDiの連携配車のように目的地から考慮して配車手配がくるように改善していただければ、更に使い勝手が良くなるとは思います。(2023年11月10日付記:Uberの改善されたのか、このシステムは最近問題はありません。)
今回は以上となり、配車アプリをOFFにする理由から対策、アプリ会社への提言という内容となりましたが、次回からは予定を変えて休憩時間の話はしばらく置いて、第25回の目標実現のためにを今回の話も絡めて更に深堀して説明していきたいと思います。
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