第22回 配車アプリのキャンセル対応について

業界・仕事説明

まず、受注後のキャンセルについては、お客が500円(税込)徴収されるということについては、DiDiがようやくこの2月頃から実施を始め各社共通になりました。

徴収されるのは、配車確定後GOは3分経過後、DiDiとUberは5分経過後にお客がキャンセルする場合です。正直なところ乗務員にとっては4分59秒でも大きな損失と思いますし、お客の立場でも4分59秒でキャンセルされたら、とても許しがたいことだと思いますので、経過時間は実情とかけ離れていると思います。

また、以前も説明した到着後5分経過後に乗務員にっとっての無責のキャンセルがされた場合もお客は500円を支払う義務が発生します。(いずれの場合も乗務員に到着遅延など帰責性がある場合は免除されます。)

なお、GOの場合は規約で初回の場合は操作ミスを考慮して免除することや、複数回そのようなことがおきると利用の制限まで明記して、お客のキャンセルに対する抑止をしています。なお、他社はネットでも公開しておらず、アプリの利用登録しても、キャンセルに対する規約の説明は見つけることができませんでした。

ここで会社によって違う点は、500円を徴収した分はUberの場合はそのまま乗務員に補償されるのですが、GOやDiDiの場合は一切乗務員に補償されません。(4月19日訂正でDiDiは補償されます。)はそもそも、キャンセルをされて一番被害を被るのは乗務員ですので、Uberの仕組みが当然で、お客からキャンセル料を徴収しているにもかかわらず、乗務員に補償しないのは会社の姿勢としてはいかがかなものかと思います。

次に、乗務員の受注後のキャンセルについてですが、個人的にはここが一番の問題点と思うのですが乗務員が金銭的な賠償を負うことはどの会社に対しても一切ありません

ちなみにDiDiの場合は乗務員は1日3回まではシステム的に受注後乗務員自由にキャンセルができます。GOの場合はキャンセルすると、1日のキャンセル回数が累積され警告(会社に通知すると)をされますが、具体的な回数の程度や不利益について明示されていません。そしてUberの場合は、全くUberからの明示的な警告や制限はありません。

なお、そもそも「乗車拒否」をなぜタクシー乗務員はするのかという前提を思い出して欲しいのですが、それは長距離客の選別ということでした。そこで、目的地がいつ乗務員が知ることができるのかも実は重要なことなのですが、Uberの場合は、迎車地に着いただけなく、出発のボタンを押さないことには目的地が提示されません。そしてその出発ボタンを押すと、もうキャンセルはできなくなってしまうという仕掛けが実はあります。

これに対して、GOの場合は、そもそも目的地を入れなくても配車を依頼ができることが特長としてありますが、到着ボタンを押してから初めて行先が登録されている場合にわかります。

また、DiDiの場合は最高のプラチナランクになると、配車時に行先までわかるのですが、それ以外のランクの場合には、到着ボタンを押さないとわかりません。ただDiDiの場合はGoに比べて問題なのは、迎車地付近に現に到着しなくても、システム的に到着ボタンを押せてしまうことで、タクシーセンターに来た苦情についてはどうもそのような悪質な乗務員に対するクレームであるようでした。

以上がキャンセル対応の実情となりますが、私の意見としては、前回の説明の通り予約確定後1分経過した時点で契約が成立し、キャンセルする場合には、アプリ会社を介すとしても、双方が相手方にキャンセル料を払うシステムにすべきで、「契約が結ばれれば当然双方義務を負い、義務を履行できなければ、相手に補償をするという。」当たり前のルールにすべきということです。

そして、乗務員の方が公共交通機関として責任は重いので、金額については倍の1,000円を支払うぐらいにすれば、丁度バランスが取れ、乗務員のキャンセルに対する大きな抑止力になると考えます。

また実際のところ、特にタクシーが忙しくなる時間で、お客が何度もタクシー側からキャンセルをされて困っていたという話は頻繁に聞きますので、決して乗務員のキャンセルの話は、お客にとっても見逃すべき問題ではないと考えます。

そしてこれぐらいのルール作りは監督官庁である国土交通省がイニシアチブを取って進めれば決して難しいことではなく、配車アプリの利用が今後一層広がることを考えれば、重要な仕事として取り組んで欲しいというのが、現場で強く感じる私の意見となります。

またここで、第18回で迎車料金0円の弊害の話に戻りますが、タクシーが忙しくなる時間では手上げの人を何人も見送りながら迎車地に向かうことは頻繁にあります。その時に思わず配車をキャンセルして目の前のお客を拾いたくなる心理はご理解いただけると思います。

私は400円の高い迎車料金を貰っているのでということもあり、手を上げられてもごめんなさいと頭を下げて何とか通り過ぎますが、今のこのような乗務員の良心に頼るキャンセルの防止の制度では、迎車料金が0円というのは乗務員が誘惑に負けることを後押しするようなものなので、弊害と言った次第です。

以上でキャンセルの話は一区切りとさせていただきますが、次回はからは実際の私の営業に話を戻して説明していきたいと思います。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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