今回は34歳タクシードライバー「世間がいう底辺職の給料」は月収60万円…驚愕の“稼ぎ事情”(ENCOUNT) – Yahoo!ニュースについて書きたいと思いますが、確認したところ今も掲載されています。
このニュース記事の構造は、吉原知也さんというライターの方が、「CUCHALA_taxi」さんに取材して記事にされ、きっかけは「【写真】月給60万円の衝撃…34歳タクシー運転手が公開した実際の写真」の通り、「CUCHALA_taxi」がTwitterで公開し(今は固定ツイートになっています。)「投稿は5万件以上のいいね、1800万回超の閲覧数を集め、大きな反響を呼んだ。」とのことでした。
ここで、私としてショックだったのが、私も実際このブログを始めるにあたり、同じようなことを第1回からアピールし、自分のTwitterに投稿しましたが、全く反応が違ったところです。ちなみに、司法の私のTwitterのアカウントでもフォロワーは700名ほどいましたので、全くベースがなかったわけではありませんので、言葉よりも事実を単純に伝える方がインパクトは全く違うと思いました。
実際のところ、確かに私も司法のTwitterで開始直後で最初にブレイクしたきっかけは、いきなりまだ公には公開されていない予備試験の論文試験の問題文を試験終了直後に写真で撮ってUPしたのがきっかけでしたので、よく考えれば自分も最初はそのようにしてたよねと思い返しました。
なお、この記事はYahooの記事でも、閲覧が多く結構上位にランクされたと思いますが、そこはまさしく表題のタイトル通りで、タクシー運転手の仕事で「月収60万円は驚愕の稼ぎ事情」という言葉が、多くの人にとって関心を呼んだことは間違いない事実で、言葉で十分に伝わった例と思いますが、そこはNEWSの記事と色々な情報が入りやすいTwitterの違いかなとは思いました。
そして、内容は私のブログでお話しているメリットと同じような記載が多く、まず、記事のサブタイトルの中の「日本の給与所得者の平均年収は443万円、10か月前に転職「月収70万、夜勤なら月収100万」も夢ではない」については、第4回「タクシー乗務員の仕事で稼げることの本当の凄さ」の中で、初月から稼げるというある意味経験は不要での説明をして、第2回の「昼勤でもミリオンの実態について」の中で夜勤ならもっと稼げる可能性も師匠の数字を紹介しながら説明していました。
そして本文でも、「プライベートな時間の確保」という点については、隔勤でのメリットを話されていますが、この点については、あくまで隔勤はタクシー会社に都合の良い制度で、いったん決まったシフトの変更は難しいと思いますし、月の乗務日数や時間も決められているのが一般的です。これに比べ、一人一車で当日でも自由に変更できる私の会社の制度の方がはるかに恵まれていると思いますが、第8回「なぜ自分で乗務時間を決めても会社は困らないのか」で説明済みです。
また、「休憩時間の自由なメリット」についても第24回の「タクシー乗務員の休憩事情」で説明済みですし、「仕事自体がゲーム感覚で楽しい」という点でもまさしく第7回 の「タクシーの仕事は、毎日ゲームで最高得点を目指すようなもの」の表題の通りで、第10回の「ゲームの魅力」で説明した通り、私にとって売上を伸ばすための鍵となる考え方でしたので、とても納得できました。
ということで、ほとんど同じことを言っているよねと思いつつ、実は注目したのはコメント欄です。
今一番上に表示されているのは、ちさともさんという元タクシードライバーの方のコメントで、6,000を超える「いいね」がついている内容ですが、実際の数字を正確に説明され、「この方のように60万の給料となると最低100万の売り上げが必要であり、12勤務だと平均8万強必要です。」として、この売り上げを上げることが並大抵の話ではないと説明され、「法人の中でも上位2~3%」の話として、最後には「間違っても夢を見ないようにしてください。」と締めています。
このコメントついて、稼げる人に差があるというところは事実とは思いますが、「夢を見ないように」に対しては違和感を覚えました。
なぜなら、私が伝えてきた稼ぐポイントの一つに第5回の「種もしかけもありません」でお伝えした通り、特別のコネも能力も稼ぐためには必要はないので、夢ではなく誰にでも現実に可能性はあるからです。
なおこの稼ぎ方については色々な考え方はあると思いますが、税抜き営収で100万円を目指すことは、届かなければ90万円→80万円→70万円→と順に下がっていくことは明白なところです。仮に70万円の営収であっても、月収で40万円ほどになりますので、年収ベースで480万円となります。そうなると、サブタイトルの日本人の平均年収は超え、決して悪い話ではなく、夢のような0か100かのギャンブルの話ではないことは落ち着いて考えればわかる話です。
しかしながら、このコメントに、いいねが6,000以上でダントツについたのは、「タクシーの乗務員=底辺職の仕事」ということがあくまで現実で、そうでない事実は極めて例外と思いたい人が多いのかなと改めて感じた次第です。
ちなみに誰でも、現実に月70万円の営収が可能かと言われれば、9つ下にあるjxe***さんという知り合いのタクシーの運転手から聞いた話で、「駅で順番待ちしてる様ではたいして稼げない」というコメントがありますが、まさしく第13回の「タクシーの営業について」で説明した「どうして並んで待っていられるの?」のとおりですが、付待ちせず、アプリをオンにして車を動かし、270時間(22~23日)乗務すれば、大阪市内の昼勤でも70万円の営収を超えない人はいないと断言できるところです。
ただし注意が必要なのは、4つ下にあるorg***さんという現役のドライバーの方でこちらは見たところ2番目に多い1,300以上の「いいね」がついたコメントですが、以下の通りです。
「最近、ドライバー不足でどこの営業所も稼働率が下がっています。稼働している車両が少なく、半年前の値上げ、訪日客の増加、コロナ明け等々でドライバーにとっては稼げる環境にありますが、このバブル状態は一過性のものであると思っています。タクシードライバーに転職を希望の方はこの情報のみだけでなく、悪い時の情報も集めてしっかり考えて行動に移してください」
この点については、正にその通りと思います。バブル状態と言われる時は第11回の「季節変動について」でも触れましたが、誰でも一定程度は稼げますが、この状態は価格だけでなく需要と供給のバランスで決まる一過性のものとも言えます。したがいまして、真面目に働くことを考えずに安易にタクシーの仕事をすると、大きく期待外れとなることは十分にあると思います。
最後に、本文の終わりに「CUCHALA_taxi」さんの言葉として以下の通り紹介されています。
「今後の運転手としての生き方について、「無事故無違反で安全にお客様をお乗せできるように努めていきます。その中で自分なりの楽しみ方を見つけていきたいと思っています」と話している。」
この自分なりの楽しみ方について、タクシーの運転手の仕事の中のことなのか、ご自身の人生全体の中のことなのか明確ではありませんが、いずれにしても、稼ぐという目標をある程度達成したタクシー乗務員が直面する次の考え方の典型例と思いますので、このことについては機会を改めて詳しく説明したいと思います。
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