第45回 値上げの実態は正確に

業界・仕事説明

実は第4回でこの間(2021年の年末から2023年の1月の間)にタクシーの料金が8%上がっていると書いていましたが、この意味をまず補足させていただきます。

大阪の運賃表を見ていただくと上限運賃から下限運賃まで幅があることがわかりますが、前回の値上げというのはこの範囲内での値上げでしたので、あくまで私の所属するタクシー会社の個別の値上げとなります。

ここから本題ですが、値上げ後の乗務ということで、5月31日(水)、6月1日(木)、3日(土)、4日(日)と乗務ましたが、値上げは結構えげつないところがあるというのとアプリの需要が減ったと感じたところです。

この間で長距離を乗せたのは3日(土)に、1回ありましたが、25kmの距離を高速を使って約30分で、高速代別で税込み10,260円+400円(迎車料金)の料金となりました。

ちなみに新しく9,000円を超えると1割の値引きとなりますが、超えた分の金額の1割の値引きなので140円しか割り引かれません。

なお、55割の時であれば同じケースで2,700円の割引でしたので2,560円の違いかと言えば実はそうではありません。

ここで、5月31日の「きょうからタクシー代1割以上値上げ」の記事をみると、「運賃が約12%から14%値上げ」と書かれていますが、上限は23%の値上げと言った方がより正確と思います。

表にある普通車の区分の上限運賃となるのですが、その加算運賃で、今まで241mで80円上がっていたのが、260mで100円で23%(20/80/260×241)の値上げとなります。また、時間は1分30秒で80円だったのが、1分35秒で100円で24%(20/80/95X90)の値上げをしているからです。

なお、初乗り距離を短縮して以前は1.459kmで600円でしたのが、今は初乗り距離を短縮して1.04kmで500円にしています。そして、加算運賃から考えれば260mを足すと、ちょうど普通運賃の初乗りの1.3kmで600円になりますので、同様な考えで159m分を値上げしたと考えると61円(100x159/260)になりますので、初乗りの値上げ率は61/600で10%となりますが、距離を走れば加算運賃の値上げ率に近づくと思います。

恐らく当局が平均乗車金額からの都合の良い値上げ率の計算をだしているだけで、またもやですが調べれば簡単にわかる都合の悪い事実を見抜けないマスコミのお粗末さの表れだと思います。(第46回で訂正あり。)

ちなみにですが、同じく5月31日に記事の一番下にある、

「「9000円を超えた分の料金を1割引き」の割引制度に変更されると、例えば、大阪梅田から神戸三宮の昼間の料金は、現在の約8000円から1万1000円に上がります。」

も結局のところ、5,000円超の部分の55割がなくなり、元々の金額になるような説明で、9000円を超えた1割の200円の割引は約8,000円のところでまとめているだけで、料金の値上げについて考慮していないお粗末なものと言うこともわかります。

話を今回のケースに戻しますが、元の10,400円を値上げ前で計算する(1.23で割る)と、8,460円で55割割引後は6,230円の値段となり、今回の料金の10,260円からすると4,030円の値上げとなります。そして、30分の仕事でお客から頂く金額がこれだけ変わるのは、やはり違和感を強く感じるところです。

次にアプリの需要が減ったと要因として感じているいるところですが、NEWSとしては全く報じられていないのですが、迎車料金がほとんどの会社で取るようになり、しかも400円が一般的になりました。

この点は乗客の新地のママからも聞いた話なのですが、1,000円ぐらいの距離でも500円くらいは変わるものなので、特に若い子には痛いという話をされていました。

また、体感として、特に6月1日以降は、第31回の忙しさの天気も気にしていますでも説明しましたが、休憩の時間はアプリがなかなか鳴らずにどんどん取れ、付待ちのタクシーや空車タクシーが普段より異常に多く、また、17時以降の忙しくなる時間でも鳴り響くことはないという状況ですので、アプリの需要が減ったと感じた次第です。

では実際の私の税抜き営収はどうだったかというと、6月1日(木)は5月16日からの平日の11時から働くときの最低の37,550円でしたが、6月3日(土)は過去最高の66,770円を記録し、6月4日(日)も60,230円で値上げの恩恵はまともに受けていますが、いずれもその日の手応えからすると、今までより2割程多いといった感覚でした。

なお、同じくこの間の値上げにまつわる経験ですが、乗り慣れた感じのおばちゃんを手上げで、今での1メータほどの距離を乗せ、ちょうどメータの変り目ということもあり、料金が800円になったのですが、思わず驚きの奇声を出されたのが印象的でした。

今回の落ち込みは一過性もしくは、たまたまであることを期待したいのですが、55割引きを含め、実際の値上げ率や、迎車料金のことを合わせて考えると、関西人を舐め過ぎかなと思います。

しばらくは6月2日(金)の大雨のような特別なことが起きない限り、受注的には今までと比べると厳しい状況は続くとは思います。しかしながら値上げの営収に与える寄与度は絶大なので、第11回で厳しい時ほどスキルで差がつくと申し上げましたが、最高記録の更新も目指したいと思っています。

なお今後の状況の見通しの詳細については状況を更に見ながら、回を改めたいと思いますが、次回は「34歳タクシードライバー「世間がいう底辺職の給料」は月収60万円…驚愕の“稼ぎ事情”」という記事が結構話題になっていましたので、この件についてお話したいと思います。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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