第74回 忘れ物について

業界・仕事説明

先週の土曜日の乗務で、タクシー内にスマホの忘れ物をされましたが、忘れ物は半年以上はありませんでしたので本当に久しぶりのことでした。

忘れ物は、後にご乗車のお客さまからの指摘で気が付いたのですが、遡ると伊丹空港に乗せたお客さまは荷物を降ろした際に後部座席まで確認した記憶があったので、その後の大阪市内に向かう途中で3回続けてGOで大人二人を乗せた内の誰かとは絞れましたが、特定まではできませんでした。

そこでスマホの外観などと合わせて忘れ物について事務所に連絡しておいたのですが、ほどなく落とし主から連絡が入り、届けて欲しい旨の連絡を事務所から受けました。

ここで落とし物についての原則のルールを説明すると、乗務員としては忘れ物を発見したら最寄りの警察署に届けるか、事務所に戻った後で忘れ物としての届け出をすれば済む話で、忘れ主に届ける義務はありません

もっとも、タクシーの場合乗務中に連絡があった場合には、届ける足があり、しかも預かっている場所であるタクシーは移動しているので、お客の指定の場所に届けてもらえることが多いと思います。

しかしながら届ける義務そのものはないので、連絡を受けた時の指定の届地との距離などにもよりますが、乗務員の対応次第というところが実際の状況です。

ちなみに、昨年加藤浩次さんがタクシーに携帯を忘れて… 会社側の対応に??「これは普通なのかな? オレはよく分からない」とタクシーに携帯を忘れて、届けてもらう際にメーターを倒して料金を要求されたことを、ラジオ番組で語った記事がありましたが、私の会社ではそのようなルールはありません。

今回の場合はGOの2件目のお客さまで、大阪市の福島区にいたときに連絡を受けて豊中市まで届けるため、車で30分程かかる距離なのですが、何も条件を付けずお届けする旨お伝えしました。

ただ、相手も申し訳ないと思ってか漱石さんを2枚いただきましたが、実際に届けるために仕事のロスをしているので、このような心配りは気持ち的にもとてもありがたいと思います。

なお相手に迷惑をかけたことに対して心配りをするのが私は自然と考えますが、心配りを頂けなければ届けないというわけではありますせんし、対応は人それぞれです。私は忘れ物のお届けで、たまたまここ3回続けてこのような心配りをいただきましたが、それ以前は1度もありませんでした。

心配りを頂いた1回目のケースは、GOで呼ばれ病院に送っていった親子の財布の忘れ物で、この場合は自分で気付き事務所に連絡をしました。そして、身分証明書が入っていたので、事務員の方がGOから連絡先の情報を聞いて本人に連絡を取っていただき、送っていった病院まで私がお届けしました。

2回目のケースは、Uberで呼ばれて新大阪駅まで送っていた外国人の方のお財布で、次のご乗車のお客様からご指摘をいただきました。そして財布を確認したところ、名刺があり携帯の連絡先があったので、直接電話をかけたところ繋がり、財布をお渡しできました。

なおこれ以外の忘れ物で、特に記憶に残っているのは、3人組の若い方で梅田から手上げでご乗車いただき、難波から少し離れた飲食店までお送りした時に、スマホの忘れものをされた時のことです。

まず、気づいたきっかけは降車後iPhoneの通知音で、後部座席の下に落ちていました。たまたま、車内で会話をして、沖縄からきて沖縄料理のお店でバイトしており、その系列のお店に行く話をしていましたので、お送りしたお店がわかりました。そしてその店に電話を掛けて連絡をとり、忘れ物をお渡しすることができました。

こうして忘れ物を届けたことで嬉しい面もありますが、忘れ物に気付いた時は、それこそ1分1秒で争っている時に大きなアクシデントということで、ガクっと気持ちが落ちるのが実情です。対策として、降車の際に後部座席を振り返って見て、「お忘れ物ないようご注意ください。」と声かけはしますが、毎回降車後、後部座席をくまなく調べることはできません。

とはいえ、気づいた以上は自分が忘れ物した側の気持ちになって、しかも自分の実際の労力と相手の喜びの大きさを天秤にかければコストパフォーマンスは決して悪くはないと思うので、できるだけのことをするというのが私のマイルールとなっています。

最後に、事務所に届いた忘れ物については、原則としては事務所まで取りに来ていただくことになりますが、事務員の方がご要望に応じて着払いで送付の対応をしています。忘れ物した方はもちろん大変ですが、された方も大変ですので、タクシーご利用の際には持ち物確認や座席のチェックを癖付けしていただけますよう、是非お願いいたします。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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