第42回 「中居さんの記事から考えたこと」の中で、カーナビは使用せずGoogle Mapをナビで使用して、目的地の入力の格段のしやすさについて説明していました。また、自動で最新の情報に更新されるのでカーナビのように古い情報のままになることがありません。
では、Google Mapは完璧かといえば実はそうとは言えないのですが、実は残念なところは一番肝心とも言えるナビゲーションの機能で、「ナビは嘘をつく」ことなのですが順に説明したいと思います。
①「車が通れない狭い道を案内する」ナビでは行けるけど車は通れないというケースです。行き止まりに直ぐに気付き、引き返すことができればダメージはまだ少ないのですが、一本道の細い道を数十メートル進んだ後、目の前に車通れる?というほど狭い道にぶち当たったこともあります。最初はためらったのですが、バックで引き返せる状況ではないので擦っても仕方ないと九死に一生のつもりで前へ進みなんとかなりましたが、少しでも大きめの車であれば絶対に無理な状況でした。
なお、似たようなケースで繁華街の中へのルート案内でここは行けないでしょうというケースは煩雑にあるのですが、こちらは慣れてくれば危険を察知しやすいのですが、それでも慣れてないところは今でもあれここ行けたっけ?と迷いながら騙されることもあります。
②「交通違反のルートを指示をされる」第88回でも説明しましたが、それ以外の典型的な例は本町通や土佐堀通の右折禁止無視のルート案内です。この場合は8-20時の時間制限が認識できないためなのかよくわかりませんが、右折が禁止されているのにルート案内があるときはこのほかでもあります。
もちろん道路標識を必ず確認するのが鉄則ですが、最初から分かっていれば別のルートを選ぶので、ナビで示されても自分に自信がない時は、お客さんに事前に確認するようにしたり、その道をできれば避けるようにしています。
③「ナビは最短ルートを必ずしも示さない」Google Mapは複数のルートを示し、混ん雑状況でルートの色が変わり到着時間も示して、しかも目的地に近づくたびに抜け道候補など複数の道を追加で示してくれる優れものなのですが、それでも最短でないルートを示すことはよくあります。
したがって毎回ナビが遠回りすることを心得て、お客さんによってはそれをご存じで、自ら先手を打って道案内をされる方もいらっしゃいます。
その原因としては、まず混雑状況がそもそも正確ではないうえに、交差点を左折か直進か右折によって混雑状況が異なることです。また、例えば大通り手前の一方通行で反対にに抜けて行く道があるのにそこのルートを選択しないなど、大通りを優先する機能があるのが原因と思われます。
また市街地ではない地域でも最短ルートで通行できるのに、ナビではわざわざ遠回りして迂回をさせる場合があります。このような場合は、事前にお客さんに確認したり、現場で確認して最短ルートを選ぶのですが、実際に通るとなんの問題もない十分な広さの道でもこのような案内をされるケースはよくあります。
④「一般の駐車場に案内されるので、車寄せと全然違う場所に案内される」知っていないと困る典型先はユニバーサルスタジオジャパンとリッツカールトン大阪ですが、いずれも私は間違えて覚えました。ちなみにユニバーサルスタジオジャパンの場合は駐車場の中まで入ってしまいましたが、係員の方も間違えるタクシーに心得たもので、案内と専用のチケットをいただきましたが、お客さんには入り口から少し遠い場所で降りていただきました。
以上のところでお気づきと思いますが、ナビには学習機能がありませんのでずっと間違ったままで、タクシー向けの仕様にはなっていません。現在のテクノロジーからAIの学習機能を使えば間違いは簡単に改善できそうに思いますが、考えて見ればGoogle Mapは無償で使わせて貰っているので文句は言えないところです。
ここで第86回 「「GO Crew」「アプリドライバー」募集の新しい動きについて」で疑問に感じるところがあることを書きましたがその一つは、業界初心者でも「特別の指示がない限りナビ案内通りでOK」だから安心ですよとPRしているところでした。
実際にGOはGoogle Mapをナビのベースにしていますが、私は実情を知っていましたのでよくそんなことを堂々と書けるなと疑問に感じました。
また、第87回でGOのデータアナリストの説明をしましたが、これこそナビで示したルートとタクシー運転手が実際に走ったルートを比較して差があるものを修正するというロジックを組み、ビッグデータを活用してナビの性能を上げるビジネスをしたら良いのにと思っている次第です。
ということで今回は以上となりますが、ナビは万能でなく、結局経験がものをいう世界ということは、実は道に不慣れな問題はアプリドライバーに限らず、乗り始めて間もない一般タクシードライバーも共通の問題で、この問題に対する私の見解は回を改めてお伝えしたいと思っています。
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