国土交通省の発表についてまず3月13日に以下の通りありました。
「ライドシェア」東京 神奈川 愛知 京都の一部地域で来月開始 | NHK | 国土交通省
報道発表資料:自家用車活用事業に係る営業区域ごとのタクシーの不足車両数を公表します – 国土交通省 (mlit.go.jp)
この時点で確認できたのは、第84回でお伝えしていた「読売記事内の「タクシーが不足する平日朝の世田谷区や、金曜深夜帯の新宿、渋谷などでの導入を想定」」の違和感に対してでしたが、今の営業区域単位での導入となりましたので違和感も消えました。しかも先行で4地域の発表でしたので、特にこれ以外に私がコメントすることもなかったのでその後の発表を注目していました。
そして3月29日に遂に以下の通り発表がありました。
“ライドシェア 新たに8地域のサービス実施認める” 国交省 | NHK | 国土交通省
報道発表資料:自家用車活用事業の制度を創設し、今後の方針を公表します。 – 国土交通省 (mlit.go.jp)
ここで私が一番注目していたのは、ライドシェアと言いつつタクシー会社の車両で一般ドライバーで運用することを認めているのかということでしたが、今回の発表の中でも明示した文章はありませんでしたが、手掛かりとなるのが国土交通省の報道発表資料の冒頭にある以下の文言です。
国土交通省では、タクシー事業者の管理の下で地域の自家用車や一般ドライバーによって有償で運送サービスを提供することを可能とする制度(自家用車活用事業)の取り扱いについて通達を発出いたします。
もし一般の人が理解しているライドシェアであれば「地域の自家用車を一般ドライバーにより」となるはずですので、逃げ道を残している感じがします。そしてこれをまとめた言葉が「自家用車活用事業」となり、特に都市部ではタクシー車両を使う動きと反した言葉になっていますが、ともかく一般ドライバーがタクシー車両を使って営業活動を認めることの矛盾で世間を刺激ないようにしている感じを受けています。
なお3月7日の以下の読売の記事の中では、
タクシー業界ライドシェア準備 来月限定解禁 白ナンバー車を発注 :地域ニュース : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
車両の安全管理の観点からトヨタ自動車のタクシー専用車両「ジャパンタクシー」の導入を検討しており、白ナンバーで5台ほど発注した。対象地域に選ばれなかった場合、通常の緑ナンバーとして登録し直す。
とあり、流石にタクシー車両で一般ドライバーはまずいという考えで、当面はコスト度外視で別に車両を用意する手があるのかと思っていました。
ところが3月22日の以下の京都府タクシー協会の発表の中で、
タクシー協会 「京都版ライドシェア」のガイドライン案を発表|NHK 京都府のニュース
「タクシー会社が所有する通常のタクシーの使用を想定」と説明していましたので、やはり最終的にはタクシー車両をそのまま使用する方針で、いきなり東京で発表すると目立つので世間の反応を確かめるためにまず京都で発表したのだろうと思っています。
ということで、タクシー会社に対して至れり尽くせりの感じの国土交通省ですが、私が発表資料を見てサブタイトルの通り一番驚いたのは、タクシー会社のライドシェア申請書の中の以下の宣誓書の内容です。
注目するのはマーカーを引いたところの「自家用車ドライバーの当社以外での就業状況・勤務時間について把握します。」です。
第92回 パブリックコメントに投稿しましたでも書きましたが、こんなことは誰が考えても絶対できるわけありません。「把握に努める」であれば何とかいけますが、これを宣誓できる代表者がいれば本当に「見もの」でタクシー会社からすれば受け入れられない内容と思います。
なお、今回の発表の中で以下の一文がありますので
パブリックコメントにおいていただいた主なご意見と、それに対する国土交通省の考え方については、一週間以内を目処に国土交通省ホームページにて公表いたします。
もう少し国土交通省の考え方がわかるかもしれません。
ということで、今回は私の一番注目しているところと、一番驚いたことについて書きましたが、それ以外のところについても上記の「国土交通省の考え方」を踏まえて、また見解をお伝えしたいと思います。
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