第66回 区域外営業を認めるべき

業界・仕事説明

前回の話の続きになりますが、大阪府の営業圏を撤廃しても大阪府という都道府県単位の営業区域は残すべきというのが私の考えですので、都道府県を超えると区域外営業という問題があります。

ここで、まず主題の通り区域外営業を認めることは、前回でも触れましたが、タクシー乗務員の営業機会のロスを減らせ効率化でき、近くのタクシーを利用できるお客の利便性大きなメリットがあり、アプリ配車が主流の今日では営業も容易です。

また、今回さまざまなNEWSでも大きく取り上げられていた京都でのタクシー不足についても、根本問題はタクシーの需要に波があることと思いますが、リンク先のNEWSではタクシー不足の原因として修学旅行の貸切タクシーの需要があることが書かれています。そして、その需要を京都のタクシー会社が、例えば大阪のタクシー会社に乗務員と車両をセットで依頼できるようになれば、需給の波の対応については格段に解決しやすくなるのは明らかと思います。

なお、区域外での通常のタクシー営業についても、私の一番遠方に行った先は徳島県で、さすがにそこまで離れるとそこでタクシーの営業をしたいとは思いませんが、お客を送った後に、京都市内で手上げの人に遭遇したり、近鉄奈良駅のタクシー乗り場でお客の行列ができて待っているのを見かけているのが実情ですので、必要性は高いと感じています。

また、Uberでは既に実装されていますが、目的地の方向に向かう乗車だけを受注するシステムがありますので、自分の主たる営業地に向かいながらのタクシーの営業も可能です。

ここで、区域外での通常のタクシー営業について、通常運賃の1割引きで営業するということが、私の区域外営業を認める条件として非常に大事なところと考えています。

まず乗務員目線で見ると、県外で営業するのはナビがありなんとか行けるとしても、地理に不慣れなところはお客に対する引け目を感じるのが当然ですが、それ故に1割引きの料金になるということであれば、気持ち的に楽に不慣れな土地でも運転できます

次にお客目線で見れば、営業区域を都道府県で確定すれば1割引きルールが適用されることが明確でわかりやすく、自分で地理に不安があれば地元タクシーを選べばよいだけです。

そして現状のタクシーの側面の地域表示は、(八尾)とか(住吉)でわかりにくいので、(大阪府・八尾市)(大阪市・住吉区)と改めて都道府県が違うことを明確にわかるようにすれば、手上げやタクシー乗り場でお客が選択できます。

なお大阪府とまとめないのは、大阪府の営業圏を統一した場合でも同じように、同じように事務所から離れた不慣れな地域はできるので、手上げやタクシー乗り場でも選別できるようにするためとなります。

また、アプリで呼ぶときも技術的に区別して選択できるようにできますし、現状でも希望のタクシー会社でなければ受注後に直ぐにキャンセルすればお客になんのデメリットもなく選択は可能です。

そしてそもそもですが私は営業区域(都道府県)でタクシーの車両数を管理するという考え方ですので、同じ料金で単純に区域外営業を認めると区域の潜脱手段となり兼ねません。その抑制の手段として、通常運賃の1割引きにする意味もあります。

最後に意外と大きいと考えられるのは、区域外営業管理にかかる無駄なコストの削減です。区域外の営業についてかなり厳しく会社からは守るように言われていますが、そのペナルティとしては車両の営業停止処分となり、違反が累積すると事業許可取消処分まで受けますので、タクシー会社にとって死活問題となります。

今は区域外営業が営業日報を出力してから明確になるのですが、自動的に表示されるわけではないので、事務の方が人の目ですべてをチェックしているのが実情です。

そして、リンク記事の中の区域外営業が発生した場合というところを見ると、立入監査等で発覚する場合があるとのことで、行政がそのような監査に労力をかけていることも明らかですし、例外規定もあり、その準備にも会社側が労力をかけていることもわかります。

もちろん、私の案の区域外営業の1割引きルールにしても管理コストは考えられますが、そもそもルールが分かりやいので告知も容易で、タクシー車両への案内表示の義務化をすれば、敢えて行政やタクシー会社が事細かに管理する必要はないと思います。

また、実際に区域外営業は、例えばアプリで呼ばれた先が市区町村の境界のところで、微妙な乗車位置のずれで区域外営業になってしまうことが多いのが実情と思います。したがいまして、営業圏が大きくなり都道府県単位であればより境界がわかりやすくなり、そもそも件数は減ると思います。

さらに、営業区域を都道府県単位にするだけで、発着地がともに例えば大阪府でなければ即区域外営業となるので、例外として県境をまたぐ伊丹空港がありますが、今の複雑で細かい区分に比べて自動的に区域外営業を表示することは容易になると思いますので、1割引き営業の確認作業も同時に自動的に表示できると思います。

以上が理由となりますが、区域外営業を認めるには以下の道路運送法第20条(禁止行為)の改正が必要です。

「一般旅客自動車運送事業者は、発地及び着地のいずれもがその営業区域外に存する旅客の運送をしてはならない。」

私としては、この条文を廃止して、営業区域外で営業を認めるルールを行政が決める規則で地域の実情に合わせてルール化できるようにすればよいというのが、最終的な意見となります。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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