第65回 まずは大阪府域内の営業圏の撤廃

業界・仕事説明

最近はタクシーに関連するテレビでの話題や色々な記事が溢れているのですが、地域に合わせた、地に足のついた議論を進めて行かないと、根本的な解決に繋がらないと思います。

ということで、今回は大阪府について考えて行きたいと思いますが、先日金剛バスの全面廃止のNEWSが大きく取り上げられ、その記事を見た時に、実はタクシー事業はその前に廃止していたという一文がありました。その記事は今はどうしても見つからなかったのですが、金剛自動車株式会社のHPを見ると、昭和12年から始めたタクシー事業は令和5年6月30日付で事業廃止されていました。

ここで私が乗務員になるために必須だったタクシーセンターでの講習で使ったテキストに、以下の通り大阪府下の営業区域についての図があり、その時に印象に残ったので記載した、それぞれの区域でのタクシーの登録台数を書いた私の鉛筆書きのメモも合わせて紹介したいと思います。

まず、なぜこのような利用者にとってわかりにくい営業区域を設定したのか、しかも登録台数の偏在から考えると、大阪市域外の周辺地域の中小タクシー事業者保護のためとしか考えにくいところです。

ただ、今回河南B交通圏の金剛自動車がタクシー事業の廃止をしましたが、バスの事業に先んじて廃止しているところを見ると、金剛自動車にとってその地域の人口が減った今では構造的にタクシー事業も儲からなかったことは明らかなようです。

ちなみに、私の住んでいるのは柏原市で河南交通圏となりますが、ちょっと雨が降るとタクシーが全く捕まらなくなり、まさしくタクシー難民になっているのが周りから聞く実情です。また先日、同じ交通圏の近鉄藤井寺駅に晴天の平日に朝10時頃10分程停車する機会がありましたが、タクシー乗り場に3・4組のお客の列ができて、その間1台しかタクシーが来ないのを目撃しました。

このような状況の中で私が規制緩和の第1弾として提案したいのが、大阪府域内の営業圏の撤廃です。

営業区域が拡大すれば、府内のすべてのタクシー乗務員にとって、お客を乗せる効率が上がることは明白で、利用者にとっても近くにいるタクシーを利用できるのは大きなメリットです。

実際のところ、昔の無線配車が主流の時代であれば、流しの多い大都市の一部を除いて、区域の特定のエリアでしかタクシーの移動しながらの営業は難しかったのですが、これだけアプリが主流の営業手段になった今では、近くにさえいればどこでもタクシーの営業は可能です。

また河南交通圏で考えても、狭い地域でタクシーの営業をしていては、営業区域の制限で営業機会の損失が多くなり効率が悪く、タクシー会社としても収入が伸びず台数が増やせないのは明らかです。

ちなみにデメリットとして、区域を撤廃すると、儲かる大阪市中心部へのタクシーの流入が多くなりすぎるという心配はあるかもしれませんが、大阪市域交通圏は他のエリアと比べて登録台数の桁が二桁違うので影響は限定的で、そもそも全体の登録台数は管理可能です。

金剛自動車のケースで考えても、経営的に問題となるのは周辺地域のタクシー会社であることは明らかで、私がしているような大阪市内への出稼ぎを認めてその経営を助け、登録台数に関しても優先的に配分して、利用者全体の利益を優先することも規制業界ならではの手段でありと思います。

なお、大阪市内の営業を認めると地元で営業するタクシーがなくなるかというと、それは私の会社でも大阪市内に行けば儲かるとわかっていても、八尾市内を中心に営業される方は一定数いますので、そのような心配は全くないと思います。

そして、営業区域を撤廃するにはということについてウィキペディアで調べてみると以下の通りで、

「タクシーの営業区域は道路運送法施行規則第5条に基づき地方運輸局長が指定する」

したがいまして、地方運輸局長が指定するだけのことですので、この時代遅れで却って地方のタクシー事業者や利用者を苦しめている規制は直ぐにでも撤廃して欲しいというのが、柏原市民でもある私の切なる願いとなります。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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