第77回 乗務員に対する配車アプリ会社の施策

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第17回「配車アプリの受注とその弱点について」で各配車アプリについて説明をしていましたが、その後変更がありましたので、まず、その点を順に説明をします。

DiDiはランク制度がなくなりました。実際のところ最高のプラチナランクになると、受注時に目的地がわかるというのがメリットなのですが、今はすべての乗務員が受注時に目的地がわかるようになりました。

今まではランクを維持するために、受注率(配車依頼が来て受注する率)を落とさないようにしなければならなかったのですが、今の制度では、目的地を見て選り好みをして配車を受注しないということが容易にできるようになります。

したがいまして乗務員にとっては都合が良い制度にはなりますが、DiDiにとってお客の需要に応えられにくい制度になりますので、私からするとDiDiは何を考えているの?というのが感想となります。

Uberは逆にランク制度ができました。ブルーから始まり、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドと受注ポイント(件数)によりランクが上がるのですが、ゴールド以上のランクを維持するためにドライバーの評価が4.75以上、受注後のキャンセル率が5%以下というルールが設けられています。

ちなみにゴールド以上になると、乗客用アプリで自分のプロフィールをアピールできるようになるというのが特典になるのですが、海外のライドシェアではメリットはあると思いますが、日本では?という内容です。

また、行き先指定がそれまで1か所だったのが、2か所で可能になるというのが、ダイヤモンドの特典で、内容は長距離で遠方に行った場合15分間目的地指定で営業できるということです。

しかしながら、通常の行先指定は自分の戻る車庫で、それ以外に必要と考えられるのは事前に予約注文を受けている時ぐらいで、私には関係がなく最高ランクのメリットを全く感じません

なお、唯一メリットを感じるのが、配車時に目的地の行先の方角と乗車予定時間が表示されるというプラチナ以上で使用できる特典があります。ただ、別途特典を利用するには別途受注率が80%以上ということが、こっそり規定されていました。

つまり、乗務員が目的地により受注を選り好みをすることに対して一定の制限をかけるルールなのですが、私自身は第31回で説明の通りUberはタクシーメーターに連携せず、受注を見送ってもそれまでデメリットは全くなかったので、この規定に気付かず営業中は常時つけっぱなしにしていたので、9月末での受注率は20%くらいになっていました。

ただ今受注率見ると、9月末と比べて50%と大幅に上昇しており(受注そのものが減っている証拠です。)、DiDiが今度は常時受注で受注を見送ってもデメリットがなくなったので、今後はDiDiとUberの受注受付の操作タイミングを入れ替えて、Uberの受注率を落とさないようもう少しこまめに切り替えることを考えています。

最後にGOですが、新たに乗務員のポイント制度が出来ました。当初の説明は、お客さんがチップを後からポイントという形で渡せるようになるということですが、11月頃から運用されていますが今のところいただいたことはありません。似た制度はUberにあり、たまにいただくことはありますが、直接頂く方がこちらもお礼が言えてチップの意味があるように思います。

なお、GOはこのポイント制度を利用して、すべての乗車ではないのですが、1乗車ごとに100ポイント(100円)を乗務員への付与のキャンペーンが12月?から始まりました。色々不明確な理由は、その説明が直接ないどころか、探しても見つからないからです。もちろん、乗務員にとって少しでも頂いて悪い訳ではありませんが、GOにとって費用をかける効果は全くないと思います。

これに対して、DiDiは乗務員へのアプリ内の通知や以下の通りポスターを作りタクシー会社に掲示を依頼してキャンペーン内容も明確です。

キャンペーンの内容として、忙しいと予想される期間や時間に絞り、1乗務あたり300円と少しはインパクトがある金額で、しっかりと事前の告知をしている点で意味はあると思います。しかし今年は残念ながらこの時間帯でも、乗務員としては逆にお金を払ってでも受注が欲しいという状況ですので、ミスマッチ感は否めません。

最後にUberも、同じようなキャンペーンをしていますが金額は一乗務あたり200円くらいで、1日当たりで一定の件数をクリアするとボーナスも併用という制度のようですが、今一つ制度がよくわからず、単に乗務員に寄付しているだけの制度になっていると思います。

ということで、今回は乗務員に対する配車アプリ会社の施策を説明してきましたが、お客からの受注ロスを減らすために乗務員側にアプローチをするということはとても重要と思います。

しかしながら、乗務員の都合の良い声だけを聞いていることや、乗務員の現場感覚をあまりにも知らないためと思いますが、目的のための施策がピント外れ過ぎなのが、私には目に余るところです。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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