第103回 今頃ですが「電脳交通」の素晴らしさに気付きました

業界・仕事説明

実はグループ会長の2022年9月のブログにも記載されていますが、私の会社では株式会社電脳交通に無線配車業務を委託しています。

実際のところ、私が入社した2021年11月の時点ではまだ無線配車対応をしており、それが変わる話は聞いてはいました。ただ、無線機を積んで対応していたのは八尾市内営業の車だけでしたので、私自身は直接仕事に関わりがなく、電脳交通の会社名を聞いたことがある程度で配車委託の実情は全く知りませんでした。

ところが以下の通りのガイアの夜明けを見て

ガイアの夜明け 4月12日放送「交通網を維持せよ!〜バス・タクシーの闘い 2024」にて電脳交通が紹介されました|株式会社電脳交通 (cybertransporters.com)

配車委託の紹介があったのですが、既存の連絡先そのままにして電話で電脳交通がタクシーの注文を受けて、タブレットで乗務員に配車を指示するシステムということを初めて知り、とても素晴らしいものと感心していました。

そして5月1日に以下のニュースが配信されたので読んでみました。                                                                                                                                                                                                                                                       

【ずいひつ】電脳交通・近藤洋祐社長が語る「「日本版ライドシェア」でタクシー市場のさらなる成長を!」 – 記事詳細|Infoseekニュース

まずこの記事で書かれている内容は、昨今の日本版ライドシェアを踏まえて見解を書かれているのですが、たまに見るライターさんが書くような上辺の話ではなく、タクシー業界の実情をきちんと捉えた上のものでしたが、私に取って衝撃の事実の記載が最後のところで以下の通りありました。

「ウーバージャパンやDiDiモビリティジャパンなど配車アプリ5社とも提携し、車内に当社のソフトを組み込んだタブレット1台で、どのアプリ経由でも即座に対応できます。」

第101回でnewmoの青柳氏が口頭で可能性について説明していたことなのですが、1台の端末で複数のアプリを同時に受注できるシステムが既に電脳交通では実績のあるとのことで驚いた次第です。

これが電脳交通に興味を持ちHPを調べるきっかけとなったのですが、残念ながらこのシステムについての説明を見つけることができませんでした。

したがいましてあくまで想像となりますが、今の電話受注のタブレットにソフトを入れて同時に他のアプリを受注できる仕組みを作ったもので、UberやDiDiなどの5社が提携に参加ということですが、恐らくGOは参加していないと思います。

そう考える理由は、提携に参加する企業にとっての魅力は契約ドライバーを増やす手段となることです。つまり、ドライバーにとって1つのタブレットで自動で複数のアプリか受注できるのであれば、アプリ会社と法人が契約する必要はありますが、新しい配車アプリの導入のハードルが大きく下がるからです。

したがいまして、配車アプリのガリバーであるGOにとっては、この提携に参加するのは敵に塩を送るようなものです。また、GOの受注のための専用端末から連動して広告やGOpayのためのバックモニターの投資もすでにしているため、電脳交通のタブレットから受注できてもメリットはありません。

ちなみにnewmoの場合は後発のアプリ会社が契約ドライバーを増やす手段として、他のアプリも同時に受注できることが、newmoアプリの利用を拡げる手段として意味があると考えていました。しかし、他の配車アプリ会社からすれば、電脳交通のものが既にあり、直接のライバル会社のシステムに乗っかるのは抵抗があると思いますので、仮にnewmoが新たにシステムを作ったとしても拡がらないと思います。

なお、自動で複数のアプリを受注できるタブレットが大阪のドライバーにとって本当にメリットがあるかというとあくまで受注画面の機能次第です。例えばGOのような受注時に受注のコールが来て応答ボタンを押した後にそれ以外の情報が来るシステムであれば、UberやDiDiを現状使用しているドライバーには使いにくくなり、第36回第77回などで配車アプリにつて色々説明していますが、配車ドライバーにとって配車アプリから直接受注するより、更に使いやすいものになれば拡がりやすいと思います。

ところでこの機会に電脳交通HPを見てもう一つ驚いたことが以下の2024年3月6日付の記事ですが、

タクシー・地域交通の未来を支える電脳交通 タクシーアプリ『GO』とのシステム連携を開始 |株式会社電脳交通 (cybertransporters.com)

これは電話で注文を電脳交通が引き受けて、GOの配車アプリに注文を流すというシステムについて連携を始めたというニュースです。(5/9時点でGOのHPでは掲載はなし。)

私自身大阪で営業していても、いわゆる配車アプリを使えない高齢の方が、タクシー会社に電話してもタクシーが依頼できなくて困るという話をよく聞いていました。そこでコールセンターを作り、電話で配車アプリの依頼を代行するというビジネスモデルは可能で、どこかやらないのかなと思っていました。

今回タクシー配車のコールセンターを持つ電脳交通と配車アプリ業界No.1のGOというベストマッチの組み合わせでの実現は凄いと感心しました。なお電脳交通からすればすべての配車アプリ会社と電話受付の提携しても良さそうなので、この提携がどのような経緯かわかりませんが、いずれにしても素晴らしい取り組みと思いました。

最後に電脳交通の企業姿勢として素晴らしいと思った点は、タクシー事業者向けの「DS」(クラウド型タクシー配⾞システム)での以下のアピールポイントでした。

「タクシー会社の意見を最優先に、年1,000回の機能アップデート」

これはビジネス成功ための常套手段とは思いますが、意外とできていない会社も多く感心した次第です。

ということでデジタル技術を活用して企業変革をサポートという点ではnewmoと同じ位置づけと思いますが、地に足をつけ現場のニーズを改善して成長してきた会社という点では大きな違いがあり、今後はその動向もしっかり見て行きたいと思います。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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