第86回 「GO Crew」「アプリドライバー」募集の新しい動きについて

業界・仕事説明

アプリが鳴り過ぎて需要に対応できない時間や、逆に空車タクシーが多い時間があったりと、1日の中の需要の波があることはタクシーの乗務をすれば誰でも体感する常識的なことでした。

そして1日の中の需要の波がある前提で効率的な運用を考えれば、アルバイト(パート)乗務員の活用は不可欠と思いますが、この需要の波への対応のため業界にアルバイト乗務員の活用の発想がないところに当初から疑問を持っていました。

また、このブログのタイトルどおり働き方の選択肢の一つとしてこのブログを始める時点からアルバイト乗務員は目指すべき姿としていつかは自分の意見を書きたいと思っていました。

ところが、昨年3月7日の記事ですがタクシー乗務員の“歩合制・隔日勤務”を撤廃した「GO Crew」 – Impress Watchの記事の通り、「慢性的なハイヤー・タクシー業界の人手不足解消と、需給バランスに応じた効率的な運行を実現する。」目的でアルバイト乗務員の導入を先駆け的にしており、しかも、「GO Crew求人に応募多数「これまでにない働き方」」と私と同じような考え方を知り、いつかはこの件についても触れたいと思っていました。

また、記事にもあるように「タクシー乗務員という職業へのハードル」を下げるために働き方だけでなく、タクシーの業務のあり方まで踏み込んで検討されており、疑問に感じるところはあったのですが姿勢については非常に好感を持っていました。

なおこの「GO Crew」はニ種免許の取得も必要ですし、乗務するまでの事前の研修についても従来通り10日間必要という前提で事業は設定されていますが、前々回の説明の通り日本自動車交通株式会社がライドシェアドライバーを募集の事実を知った時に、二種免許の条件の緩和は「GO Crew」のビジネスに取って大きな障害がなくなり、「GO Crew」には好機到来で更なる発展に繋がると勝手に結び付けていました。

ところが今回ブログを書くにあたり、「GO Crew」について改めて調べたところなんと川鍋会長の先の記者会見の前日の1月9日という微妙な日に乗務員不足解消をめざすアプリドライバーの取り組みが好調! アプリ専用車『GO Reserve』専用乗務員『GO Crew』が 2024年1月以降、東京・神奈川・大阪・名古屋と全国に拡大 | GO株式会社 (goinc.jp)の記事がリリースされていました。

内容としてはタイトルの通りで、昨年3月より始まった「GO Crew」が順調で更に事業拡大という話なのですが、その本文最後に「二種免許の取得や所定の法定研修など、準備が完了した営業所より随時開始予定です。」とあり、今のライドシェアの議論を全く踏まえていないことに驚きました。

また1月19日から、この「GO Crew」を「アプリドライバー」と表して募集を目的とする吉田羊と竹野内豊の新しいテレビCMが流れ始めたことに気が付き更に驚きました。

なぜなら、日本自動車交通株式会社の「ライドシェアドライバー」の募集の開始と、GOの「アプリドライバー」が同時期に新たにテレビCMまで投入して別物として競業するように開始されたからで、それだけライドシェアドライバーの募集が急に決まった事情があるかもしれませんが、直ぐには理解できませんでした。

ただ、1月9日の記事の中で「半年で50名以上のアプリドライバーが活躍」「現在の江東区枝川での1拠点30台展開から、東京・神奈川・大阪・名古屋の各地のタクシー事業者と共に合計約70台での展開を予定」とあり、この記事から計算するとアプリドライバーの募集人数は100名程度となりますが、そのためだけにテレビCMを打つのは明らかに経済合理性に欠けるので、企業ブランドの浸透というもっと別の大きな目的があるとは理解できました。

ということで、今回は私にとって驚きだった二つの事実をお伝えして一旦話を区切りたいと思いますが、実はGOにはこの1月末に更に驚愕の事実が判明しましたので次回にお伝えしたいと思います。

実際のところ、このことを含めてGOの目指す方向性に気が付いたのですが、今回紹介した「GO Crew」の目的である「慢性的なハイヤー・タクシー業界の人手不足解消と、需給バランスに応じた効率的な運行を実現する。」を前半と後半をしっかり分けて考えるのがこの募集に関する理解のポイントでした。

今回のブログの冒頭から説明した通りアルバイト乗務員の募集の主目的は後半と私は考えていたのですが、GOが本当に目指すのは前半で日本自動車交通株式会社が目指しているのは後半と理解すると私の驚きは腑に落ちたので詳細は順に説明したいと思います。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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