第116回 newmoのその後について~更なる疑問ばかりです~

ご挨拶

newmoについては第101回 newmoについて調べたら~ますます理解ができません~で初めて触れましたが、少し前ですが7月4日付の以下の発表があり

newmo、大阪の老舗タクシー会社「未来都」の経営権を取得 | newmo株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

未来都は八尾市にも営業所があり、身近にあった会社なので驚きました。ちなみにその結果「newmoグループの保有タクシー車両数は646台(内訳:岸交 40台、未来都 606台)」とあります。岸交への資本参加については「OSAKAモデル」構築のお相手としての説明がありましたが、私は第101回で否定的な見解を説明していました。

これに対して今回の資本参加の目的を「デジタル技術を活用し経営基盤の強化を進め、未来都のさらなる発展のために積極投資を進めていきます。」としているのですが、そもそものnewmoの設立目的はタクシー会社への投資業でしたっけと突込みたくなるうえに、お金を出すくらいしかnewmoは相手にされないのですかね?と言いたくなります。

また大阪のいろいろなタクシー会社の事務所をよく見かけますが、本当に施設は古いものがほとんで、施設にかけるお金は後回しにしないと回らない状況です。それに対してnewmoは大阪の中心地で高い賃貸事務所を借りたり、以下のような社員を増やし事務所を移転する経費を掛けられるような会社の人間が、泥臭いといえるような大阪ローカルのタクシー会社でしかも事業所が10か所あるような会社に対して、文化的にうまく対応できるのですか?という疑問もあります。

newmo、東京オフィス移転のお知らせ | newmo株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

つまり、デジタル技術で仕事のやり方を変えるとしても、現行社員を無視するわけにもいかないので、その改善を進めるためには現行社員の意識改革は不可欠で、努力と言ったら並大抵ではないことは想像できます。また、仮に成果がでたとしてもをその投資費用と現行社員の人材削減の効果で考えれば、どうやって投資コストが回収できるのか疑問の限りです。

そして買取価格は非公表となっていますが、未来都の創業家にとっては自分の本業にも拘わらず手放すのは、うまく行っていない(儲からない)からであり、しかも絶対に損をしない価格であることは間違いないと思います。したがって現状維持ではnewmoにとっては大きなマイナスであり、投資リスクはnewmoにとって決して少なくないと思います。そうであればタクシー会社の経営改革を本気で取り組む気がないとまずいと思いますが、未来都の代表者も兼務の青柳氏であり、改革については発言の通り「デジタル技術の活用」だけの話に感じます。

なお、今回の目的は記事の中にある通り「3月に開催した事業戦略発表会にて、「2025年度中に、1) 全国主要地域での展開、2) タクシー車両数3,000台、3) ドライバー数1万人を目指す」旨を発表」の一環が主目的とは思いますが、単にお金に任せて経営基盤の弱いタクシー会社を買収していったところで、ライドシェアが全面解禁になればタクシー会社は競争に負けて潰れる可能性もあるなか、「デジタル技術の活用」だけでどんな展望が見えるのかが全く見えません。

次に以下のライドシェアのドライバーの募集ページを見ましたが、未来都の募集の掲載の一点だけでライドシェアドライバーの求人情報・募集ページ|newmoドライバーの仕事探しなら『GOジョブ』| GOジョブ (goinc.jp)と比べて、地域や掲載企業数、職種の範囲などあまりも見劣りしていました。

そして内容で少し気になったのが、事故が起きた時の対応で「カスタマーサポート部門と営業所の運行管理者がしっかりとサポートします。」とあり、会社に所属してライドシェアの仕事をする以上はタクシー会社が責任を持つのが当然とは違うの?と思いGoを調べたところこちらは「責任を持ってサポート」になっていました。いずれにしても、利用者側にとっても「サポート」でけではタクシー会社にだけわざわざライドシェアの主体として認めている意味がないように思います。

また、newmo、FinTech関連の新会社「ライドシェアリース」設立。ライドシェアドライバーのニーズに応え、カーリースを今秋より開始 | newmo株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)という8月7日付の記事を見て疑問に感じました。なぜなら、ライドシェアを進める上でカーリースの需要があるのはわかりますが、だからと言って会社まで作ってビジネスとして成り立つの?という疑問です。つまり、カーリース現行している会社がそのようなサービスを追加で始めるのが現実的な規模や地域性から考えるべき話で、いきなり会社を東京に作って始めるのは経営センスとして大丈夫という?疑問です。

ちなみに7月9日付のnewmo、シリーズA 1stクローズで100億円超の資金調達を実施 | newmo株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)で資本調達額が120億円を超えたそうで、これだけのお金が集まれば使い方がおかしくなるのかなと思ってしまうところです。

第101回で「newmoのビジネス成功の道筋が全く分かりませんでした。」と指摘しましたが、いったいどのようにして稼ぐの?という疑問は半年近く経っても分からないどころか、方向性を疑うような疑問が増えて残念な限りです。


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飯田さん

前職をやめて、結果としてタクシー乗務員として仕事を始め、1年程立って昼勤営業収入(税抜き)ミリオン、を達成したのを機に、このブログを始めました。
なお、「飯田さん」の名称の意味、詳しい情報、前職をやめた経緯などについては、「飯田さんの司法試験・予備試験の部屋」のサイトで掲載されています。

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